【お知らせ】関連リンク集を更新しました(2019.03.08)

【難病に関する制度解説-第1回-】 指定難病とは?

こんにちは。

今日は、“難病”についてです。何度かに分けて解説していきます。

潰瘍性大腸炎も指定難病の一つですが、難病に対する制度を理解するうえでその言葉の意味についても理解が必要です。

今回は、現行の制度で扱われている「指定難病」いう言葉の意味ついて説明します。

指定難病

まずは、指定難病の説明の前に世間一般で使われる難病という言葉についてです。いろいろな解釈がありますが、ここでは2つに分けます。
1つ目は、社会通念として用いられている言葉。
2つ目は法律等で公式に定義される言葉です。

① 社会通念として用いられてきた難病

治りにくい病気、原因が分からない病気、「不治の病」などのイメージで使われている言葉です。
医学的な定義があるわけではなく、どんな病気を人々が難病と捉えるかはその時代の医療水準や社会事情によって変化するといえます。

② 法律等で用語として定義されている難病

国から初めて難病という言葉が定義されたのは、1972年(昭和47年)の「難病難病対策要綱」においてです。
ここから難病に関する施策が本格的にスタートし、2015年(平成27年)には「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行されました。

これ以降の難病という言葉は、後者(②公式に定義される用語)の意味で扱います。

難病法とは

まずは、現行の制度のもとになっている法律「難病法」についてです。

正式には、「難病の患者に対する医療等に関する法律」です。

今2019年ですから、施行後満3年が経過し、現在5年目の法律です。比較的新しいですね。法律の施行に伴い、制度も新しくなりました。旧制度からの移行を経験した方も多いと思います。

  • 成立:2014年(平成26年)5月23日
  • 施行:2015年(平成27年)1月1日
  • 法令番号:平成26年法律第50号

『難病』と『指定難病』それぞれの意味

難病とは

難病の定義は、もとになる難病法(通称)から引用します。法律によると次の4つが要件だといえます。

  1. 発病の機構が明らかでない
  2. 治療方法が確立していない
  3. 希少な疾病である
  4. 長期にわたり療養を必要とする

発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であ
って、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものをいう。

難病の患者に対する医療等に関する法律 第一条

指定難病とは

こちらも、もとになる法律(難病法)を引用します。

難病のうち、下記の要件を満たすものが指定難病とされています。

  1. 患者数が一定の人数(※)に達しないこと
  2. 客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること

難病のうち、当該難病の患者数が本邦において厚生労働省令で定める人数に達
せず、かつ、当該難病の診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていることその他の厚生労働省令で定める要件を満たすものであって、当該難病の患者の置かれている状況からみて当該難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

難病の患者に対する医療等に関する法律 第5条

※厚生労働省令で「人口の0.1%程度に相当する数」と定められています。

潰瘍性大腸炎の患者数は、2016年時点で17万人に達し、日本の人口の0.1%(約12.6万人)という基準を厳密には満たしていませんが、こちらは話が長くなるので、とりあえず今は置いておきましょう。

患者数について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

【最新】潰瘍性大腸炎の患者数 2018

『難病』と『指定難病』の違い まとめ

下図のように、難病のうち、一定の要件をみたすものが法律により指定難病と定義されます。

【補足】がんや精神疾患等について

基本的には、他の施策体系が樹立している疾病については、難病として取り扱わないとの認識が厚生省から発表されています。

具体的には下記の通りです。

【補足1】

  1. 難病の要件に含まれている基本的な考え方は、他の施策体系が樹立していない疾病を広く対象とするものとされている。
  2. 「他の施策体系が樹立している疾病」とは、厚生労働省において難病法以外の法律等を基に調査研究等の施策が講じられている疾病で、がん精神疾患感染症アレルギー疾患などがこれに当たり、難病法にいう難病として想定していない

【補足2、3】

  • がんについては、「がん対策基本法」及び「がん登録等の推進に関する法律」(平成28年1月1日施行)を中心に、難病対策とは別の施策体系が講じられている。
  • このため、「がん登録等の推進に関する法律」で「がん」と定義された疾病については、「他の施策体系が樹立しているもの」として取り扱う。
  • 精神疾患については、体系的な施策として障害者総合支援法における精神通院医療の制度を実施しており、その対象範囲となる疾病はICD10においてFでコードされている疾病及びG40でコードされている疾病(てんかん)とされている。
  • これを踏まえ、障害者総合支援法における精神通院医療の対象となる疾病は、基本的に指定難病の要件を満たさないものとする。

第14回 指定難病検討委員会資料 参考資料2

「指定難病」に指定されている疾病

指定難病は、厚生労働大臣厚生科学審議会の意見を聴いて指定します(難病法 第5条)。

正式には、厚生労働省告示第393号 (平成26年10月21日)【難病の患者に対する医療等に関する法律第五条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する指定難病及び同法第七条第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める病状の程度】に記載されています。

具体的な審議は、厚生労働省の【厚生科学審議会】のなかの【疾病対策部会】のなかの指定難病検討委員会が担当しています。

これまでに4度に分けて施行され、2018年7月25日現在331の疾病が指定難病に指定されています。炎症性腸疾患である2つの疾病はともに第1次施行の指定難病です。

  • 告知番号97: 潰瘍性大腸炎
  • 告知番号96: クローン病
 施行日告知番号疾病数累計疾病数
第1次2015年(平成27年)1月1日1~110110110
第2次2015年(平成27年)7月1日111~306196306
第3次2017年(平成29年)4月1日307~33024330
第4次2018年(平成30年)4月1日3311331

※下記は2018年(平成30年)4月から、既存の指定難病のうち疾病の名称を変更したもの

告知番号旧病名新病名
107全身型若年性特発性関節炎若年性特発性関節炎
177有馬症候群ジュベール症候群関連疾患
330先天性気管狭窄症先天性気管狭窄症/先天性声門下狭窄症

指定難病一覧の閲覧、キーワード検索は、難病情報センターのホームページにて行えます。

以上です。

法律の文言を調べることなんて僕自身めったにありませんが、病気に関する知識を深めるのにいい機会だと感じます。

指定難病に対する医療費助成制度については別記事にてまとめる予定です。

<おわり>

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