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【難病に関する制度解説-第3回-】 潰瘍性大腸炎の特定医療費支給認定基準

こんにちは。

今日は、潰瘍性大腸炎の特定医療費支給認定基準についてです。

指定難病一般についての支給認定に関しては下記の記事で詳しく解説しているのでよろしければどうぞ。

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【復習】 まずは復習です。医療費助成を受けるうえで必要な2つの基準を満たす必要がありました。

1. 「指定難病」と診断されること
2. 「重症度分類等」に照らして病状の程度が一定程度以上

この記事の目的である、潰瘍性大腸炎の場合は、以下のようになります。

1. 潰瘍性大腸炎だと診断されること【診断基準
2. 病状が中等症以上であること【重症度分類による基準

ひとつずつみていきましょう。

潰瘍性大腸炎の<診断基準>

ひとつ目は、診断基準についてです。

規定では、『「Definite」を対象とする。とされています。

日本語でいうと確診です。確実に「潰瘍性大腸炎」だといえる場合が支給認定の要件となります。

これは当たり前だと思われそうですが、疾病によっては、確診(Difinite)だけではない診断基準もあります。例えば同じ炎症性腸疾患のクローン病の診断基準は「DefiniteProbableが対象」です。

指定難病の診断基準に限った話ではなく、診断や因果関係の確定度合を段階評価するようです(3段階[Definite, Probable, Possible]や4段階[Definite, Probable, Possible, Suspected]など)。ニュアンスでいうと、Probableは可能性が高い、Possibleはありえる(50%)といったところでしょう。

では、潰瘍性大腸炎の確診(Difinite)の基準をみてみましょう。

診断基準【まとめ】

診断基準は上図のように整理できます。各項目の詳細は以下のとおりです。

羅列項目の全てを満たす必要があるのか、いずれかを満たせばいいのかに注意してください。

診断基準【詳細】

A. 主要所見

1.臨床症状

a)持続性又は反復性の粘血・血便あるいはその既往がある。

B. 検査所見

1. 内視鏡検査 :(i)または(ii)を満たす。

(i)以下のいずれかを認める。

  • びまん性連続性病変
  • 血管透見像消失
  • 粗ぞう又は細顆粒状粘膜
  • 易出血性(接触出血)
  • 粘血膿性分泌物付着

(ii)以下のいずれかを認める。

  • 多発性びらん・潰瘍
  • 偽ポリポーシス

2. 注腸X線検査 :(i)~(v)を満たす。

(i)粗ぞう又は細顆粒状粘膜のびまん性変化を認める

(ii)多発性びらん・潰瘍を認める

(iii)偽ポリポーシス認める

(iv)連続性病変を認める

(v)その他

  • ハウストラ消失(鉛管像)
  • 腸管の狭小・短縮を認める

3. 生検組織学的検査 :活動期または寛解期の項目に該当

活動期(総合的に判断)

  • びまん性炎症性細胞浸潤
  • 陰窩膿瘍
  • 杯細胞の減少又は消失
  • びらん

寛解期

  • 腺の配列異常(蛇行・分岐)
  • 萎縮

C. 鑑別診断

以下の疾病を鑑別し、全て除外できる。

  1. 感染性腸炎(・細菌性赤痢 ・アメーバ性大腸炎 ・サルモネラ腸炎 ・キャンピロバクター腸炎・大腸結核 ・クラミジア腸炎 ・日本住血吸虫症など)
  2. クローン病
  3. 放射線照射性大腸炎
  4. 薬剤性大腸炎
  5. リンパ濾胞増殖症
  6. 虚血性大腸炎
  7. 腸型ベーチェット

重症度分類

つづいて、2つ目の<重症度分類>についてです。

重症度分類の支給認定要件は、「中等症以上を対象とする。」とされています。

こちらはお馴染みの表だと思います。

潰瘍性大腸炎の臨床的重症度による分類 

●顕血便の判定
(-)血便なし
(+)排便の半数以下でわずかに血液が付着
(++)ほとんどの排便時に明らかな血液の混入
(+++)大部分が血液

●重症度

軽症:  上記の6項目を全て満たすもの

中等症: 上記の軽症、重症の中間にあたるもの

重症:  ①及び②の他に、全身症状である③又は④のいずれかを満たし、かつ6項目のうち4項目を満たすもの

劇症:  重症の中でも特に症状が激しく重篤なもの。発症の経過により、急性劇症型と再燃劇症型に分ける。劇症の診断基準は以下の5項目をすべて満たすもの。
① 重症基準を満たしてい
② 15回/日以上の血性下痢が続いている
③ 38.5℃以上の持続する高熱である
④ 10,000/mm3以上の白血球増多がある
⑤ 強い腹痛がある

 

※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項

  1. 病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限る。)。
  2. 治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。
  3. なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする

 

特に3.については、抗TNFα抗体製剤(レミケード、ヒュミラ等)などの高額の治療薬を使っている人は、軽症高額該当の確認をしましょう。

軽症高額該当
医療費総額が33,330円を超える月が支給認定申請月以前の12月以内に3回以上ある場合
例)医療保険3割負担の場合、医療費の自己負担がおよそ1万円となる月が年3回以上ある場合が該当

 


以上です。更新手続きの際などに、折に触れて確認してみましょう。

次回は、実際の申請手続きについてまとめます。

 

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