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【ニュース】難病患者、手帳で判断に懸念「所持、5人に1人」

ニュース内容

障害者雇用水増し問題についてのニュースです。
難病患者に関しても言及されているので紹介します。

問題の概要

中央省庁や地方自治体等の公的機関において、障害者手帳の交付に至らないなど障害者に該当しない者を障害者として雇用し、障害者の雇用率が水増しされていたという問題。

障害者雇用率水増し
日経新聞(2018/8/18)より

なお現行(2018年4月以降)の障害者の法定雇用率は下記の通りです。

記事内容

以下、記事内容です。

中央省庁や全国の自治体で発覚した障害者雇用水増し問題を受け、当該官公庁で障害者手帳の確認を徹底する動きが進む中、多くが手帳を持っていない難病患者に懸念の声が広がっている。就労の難しさが障害者手帳の有無だけで判断されてしまうのではとの警戒からだ。難病患者らでつくる愛知県の団体は声明を出し、就労支援の充実を訴えている。

水増し問題で厚生労働省は、昨年6月時点で国の33行政機関のうち27機関が計3460人を障害者雇用として不適切に算入していたと発表した。厚労省のガイドラインで算入対象は、障害者手帳を持っている人か、都道府県知事が定める医師や産業医の診断書・意見書で障害が認められた人に限られる。手帳を確認せずに算入していた実態が明らかになるにつれ、実物の確認を徹底する方針を示す自治体が相次いでいる。

こうした動きに愛知県難病団体連合会などは、難病患者が置き去りにされると危機感を募らせる。今月6日に名古屋市内で記者会見したメンバーらは「水増しは許されないが、手帳のみが判断基準になれば難病患者の就労問題は見落とされ、障害者雇用から排除され続ける」と訴えた。

国が指定する難病の患者は2016年度末で全国で約98万6000人。同連合会によると、このうち障害者手帳を持っている患者は、寝たきりなど就労できない人を含めて「5人に1人」にとどまる。症状が一定でないため手帳を取得できない人も多いという。

障害者雇用促進法は身体・知的・精神障害者と並び、難病患者を「その他の心身の機能の障害がある」人として障害者に含める。同連合会などは、新たに「難病手帳」を交付するなどして、難病患者も障害者雇用義務の対象と明確に示すべきだと訴えている

指定難病の遺伝性血管性浮腫の患者で、会見に同席した伊藤さち子さん(67)=愛知県清須市=は「同じ病気の人が就職で悩んでいる。病気のことを就職先に伝えていいのかとの相談もあるくらい、就労を巡る環境は整っていない」と述べた。

同連合会などは11月6日午後1時半から、名古屋市中村区名駅4のウインクあいちでセミナーを開く。伊藤さんら難病患者が生活実態を報告する。

每日新聞 2018年9月29日 中部朝刊

所感

現状、難病患者に対する就労支援が十分かと問われれば、僕は全くそうではないと感じています。

記事にある通り、障害者基本法における現在の難病患者の位置づけは、「その他の心身の機能の障害」の部分で一応カバーされているという扱いです。

障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

障害者基本法 第2条

では、実際のところはどうかということで、関連する国会答弁を見てみます。

難病患者の就労、雇用促進に関する質問主意書
平成二十八年十月七日提出 質問第五一号 (提出者 鈴木義弘)

障害者総合支援法(平成二十五年四月施行)に難病等も含まれた。また、本年四月から改正障害者雇用促進法が施行され障害者が職場で働きやすいよう合理的配慮の提供義務が法律で定められ、難病患者やその関係者等は、就労機会の拡大につながることを期待していることから、次の点について政府の見解を問う。

① 障害者手帳を所持しない難病患者が就労を望んでも、障害者雇用促進法の障害者雇用率に算定されないことから、雇用者が積極的に難病患者を雇用しようとする動きを抑制している。障害者手帳所持に限定する制度を、同手帳を所持しない難病患者も算定率に加える制度に改正すべきと考えるが政府の見解を示されたい。


衆議院議員鈴木義弘君提出難病患者の就労、雇用促進に関する質問に対する答弁書
内閣衆質一九二第五一号 平成二十八年十月十八日(内閣総理大臣 安倍晋三)

①について

障害者雇用率制度は、雇用の場を確保することが極めて困難な障害者を対象に、全ての企業に雇用義務を課すものであり、その前提として、企業がその対象者を雇用できる一定の環境が整っていること及び対象範囲が明確であり、公正、一律性が担保されることが必要である。お尋ねの「障害者手帳を所持しない難病患者」については、現時点においては、このような前提が整っていないことから、障害者雇用率制度の対象とすることは困難であると考える。

なお、難病患者については、公共職業安定所の難病患者就職サポーターによる症状の特性を踏まえたきめ細かな就労支援の実施難病患者を雇い入れる事業主を助成する発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金の支給等により、着実に就職件数も増加してきているところであり、今後とも、こうした施策を着実に実施してまいりたい。

どうでしょうか?

現状は下線部のような支援に“とどまっている”と言えます。

ちなみに、発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金の額は下記の通りです。果たしてこれが企業が難病患者を雇用する後押しになるかと言えば甚だ疑問です。個人的に常々言っていますが、いくら「きめ細かな」などの形容詞で飾り立てても、実効性のない施策は意味がありません。

僕個人は、波があるにせよ現状勤務できていますが、こういうブログで情報を発信するようになり「病気を理由に職を辞さなければならなくなった」という方を目にすることが増えました。

ちょうど雇用問題について興味を持っていたところなので、引き続き調べてみたいと思います。

おわり。

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