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【ニュース】医師が教える、便秘4タイプ。IBDに伴う便秘は「器質性・症候性便秘」

ニュース内容

2018/10/16 MYLOHAS | 医師が教える、便秘4タイプ。「便秘は治療が必要な病気」

「便秘」に関する記事がまとめられていましたので、紹介します。


つらい便秘の症状が長く続く「慢性便秘症」。

兵庫医科大学 内科学消化管科主任教授の三輪洋人先生は、「日本人の約半数は便秘を病気と思っていないけれど、便秘は治療が必要な病気」と話します。

便秘治療に影を落とす“認識のズレ”

「快食・快眠・快便はクオリティ・オブ・ライフの基本。

それなのに、ある調査(※1)では日本人の28.4%が“自分は便秘である”と認識しているという結果がでました」(三輪先生)

この数字の大きさは、保健衛生上、大きな問題だと三輪先生。

しかし、じつは便秘にはいろいろな定義があり、海外には非常に複雑な「慢性便秘症」の判断基準があるけれど、日本では浸透していないと話します。

「じつは医師と患者の間でも、便秘についての認識の違いがあるのです。

患者さんの悩みの第一位は腹部の膨満感なのに、医師が診断にあたって重視する項目の第一位は排便回数の減少(※2)。これでは治療の満足度を高めることは難しいでしょう」(三輪先生)

なぜ、便秘になるの?

ここで便秘のメカニズムをおさらいしましょう。食べ物を摂取すると、消化管を移動しながら消化と吸収が行われ、残った老廃物が便となって1~3日後に排泄されます。

ところが小腸や大腸の動きが低下すると、老廃物の移動に時間がかかり、通常よりも余計に水分が体内に吸収されて、便が硬くなります。

また、直腸の筋肉がうまく機能せずに便が排出されなかったり、ストレスが便秘の原因になったりすることもあります。

“スッキリ”へのこだわりが強い日本人

便秘の症状は、おおむね「排便回数の減少」と「排便困難」に分けることができます。

「排便回数の減少」にあたるのは、排便がおおむね週3回未満の場合。回数が減って排泄物がたまり、腹部の膨満感や腹痛、不快感を伴います。

いっぽう「排便困難」は、排便時の過度のいきみ、便が硬くてなかなか出ない、排便後も便が残っている感じがしてスッキリしない(残便感)などの症状があること。

日本人はとくに、スッキリと質のいい便が出ることへのこだわりが強いんです。

ただ出るだけではダメで、“残便感のない自発的排便”であること。それが日本人の便秘治療の目標となります」(三輪先生)

便秘は4種類にわけられる

次に、便秘のバリエーションを見ていきましょう。便秘はその原因から、4種類にわけることができます。

1.機能性便秘

便が作られる過程や排便の仕組みに障害があって起こる。慢性便秘症もここに分類される。

2.器質性・症候性便秘

消化官の病気(大腸がん、炎症性腸疾患、腸閉塞など)により、腸管内が狭くなったり、腸の働きが低下することで起こる。糖尿病やうつ病など、ほかの病気に伴って二次的に便秘になることもある。

3.薬剤性便秘

腸管の運動を抑制する作用を持つ薬剤(オピオイド系薬、抗コリン薬、抗パーキンソン病薬など)が原因で起こる。

4.便秘型過敏性腸症候群(便秘型IBS)

上記1~3に当てはまらない便秘。ストレスなどで便秘や腹痛が起こり、それらの症状によりストレスが増大する「脳腸相関」が起こりやすく、便通異常、腹痛、不安感などの出現・増悪がみられる。

※1 Tamura A,et Neurogastroenterol Motil.22(4) :677-685,2016. Dept of Gastroenterol, Hyogo College of Med
※2 三輪洋人 他:Ther Res.38:1101,2017.Dept of Gastroenterol, Hyogo College of Med


所感

UC患者はどちらかというと頻便が悩みになることが多いと思われますが、IBDに伴う狭窄や腸機能低下による便秘もあるようです。一般論として、便秘の種類を知っておいてもよいかもしれまん。

また、一般の方よりも、何倍か腸についての思考を巡らすことが多い私達ですが、身近な人で便秘に悩むひとがいたらそれは治療すべき病気だという認識を共有してあげるのが良いでしょう。

 

おわり。

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