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【ニュース】経過措置終了後の難病助成認定率のデータ公表 潰瘍性大腸炎は69% 都道府県で認定率にばらつきも

ニュース内容

厚生科学審議会疾病対策部会 第59回難病対策委員会(平成30年10月18日)にて、経過措置終了後の特定医療費の支給認定状況の調査結果が公表されました。

下記は各新聞社のニュース記事一覧です。概ね取り上げている内容は同じですが、朝日新聞は都道府県の認定率の違いに言及しています。

参考 難病助成、認定率に開き…49~97%「疾患別に判断基準」yomiDr.(2018.10.19) 参考 「不認定」疾患で差 「軽症」除外、最大で4割近く毎日新聞(2018.10.19) 参考 難病15万人が助成なしに 都道府県で認定率にばらつき朝日新聞(2018.10.19)

ポイント

今回調査のポイントは以下3点にまとめらるかと思います。

  1. 経過措置終了後の認定状況
  2. 疾患ごとの認定率の違い
  3. 都道府県ごとの認定率に差がある

一つづつ見てみます。

① 経過措置終了後の認定状況

結果は下記の通りです。経過措置適用者だった約71万人のうち、14.7万人、率にするとおよそ2割の人が助成の対象外になったことになります。

経過措置とは?

2015年1月1日から2017年12月31日までの3年間(経過措置期間)については、新たな難病法の認定基準ではなく、特定疾患治療研究事業の認定基準で指定
認定を行い、自己負担上限額も従前どおりの取り扱いとなっていた。経過措置対象者は、2014年12月31日時点において、国が指定していた特定疾患に係る受給者証の交付を受けていた方。

2017.12.31時点

経過措置適用者:約71.7万人

2018.1.1時点

  • 引き続き認定 約57.0万人(79.6%)
    • うち重症度分類を満たすとして認定 約44.0万人(61.3%)
    • うち軽症高額該当で認定 約13.1万人(18.2%)
  • 不認定 約 8.6万人(11.9%)
  • 保留中 約 0.0万人( 0.0%)
  • 申請なし・不明 約 6.1万人( 8.5%)

出典:第59回難病対策委員会 資料2-1

② 疾患ごとの認定率の違い

これは各新聞社の記事であたかも問題があるように取り上げられていますが、診断基準も重症度分類による認定基準も疾患ごとに異なるので、認定率も差があって当然です。参考までにデータだけ見てみましょう。注意ですが、数字は経過措置対象者だった人が経過措置終了後にどうなったかというものです。

経過措置終了後も引続き認定になった割合を疾患ごとにみると、9割を超えるものから5割のものまであります。潰瘍性大腸炎は比較的認定率が低い部類に入ります。

続いて、IBD(潰瘍性大腸炎、クローン病)の詳細な数字を掲載します。UCはCDと比べ、①重症度分類を満たす割合が低い点、②不認定率が高い点があげられます。

※画像クリックで拡大します

③ 都道府県ごとの認定率に差がある

一方、こちらは問題があります。都道府県主幹の事業ですが、判定の基準は全国で同じはずです。ある種の疾患の患者が地域に偏在する、重症患者の率が地域性に依存するなどというなら分かりますが、日本という比較的均質な風土と国民性で下記で紹介するほどの大きな数字の開きが生まれるとは、僕としては考え難いです。

上のIBDのデータを抜粋した表にある通り、引き続き認定とは下記の2つの合計です。

  • A. 重症度分類を満たすとして認定
  • B. 軽症高額該当で認定

B.は各疾病の診断基準を満たせば医療費総額の機械的な判定になるので、A.について都道府県ごとの違いを見てみます。重症度分類による認定率の上位と下位5つの都道府県を抽出しました。

なんと、認定率が最高の秋田県と最低の愛知県では50ポイント以上もの差があります。驚きですね。では、愛知県や鹿児島県に在住の方は、全国の方と比較して助成を受けられていないという状況なのでしょうか?現状はそんなことはありません。

もう一つデータをお見せします。A.重症度分類による認定率とB.軽症高額該当での認定率は完全に逆相関しています。つまり、愛知県や鹿児島県に在住の方も軽症高額該当として助成を受けています。

しかし、言い方を替えれば本来助成が必要な水準で月額医療費がかかっている患者でも、都道府県により重症度分類の判定では認定が却下されているともとれます。

参考までに、A.重症度分類による認定率の全国(都道府県単位)での標準偏差は9.16%ですが、B. 軽症高額該当認定と合計した「引続き認定」で見た場合だとその値は3.29%まで小さくなります。

また、不認定率でみると全国平均の11.9%に対し、最低は埼玉県の5.9%から最高は兵庫県の19.3%と主観ですが13ポイントとなかなか大きな差があります。

所感

朝日新聞の記事によれば、(都道府県別の認定率のばらつきについて)

厚労省の担当者は「ばらつきは、患者の偏在や治療法の進展具合などが原因だと思われる。問題点を検討し、改善点を考えたい」。

という、なかなかお粗末な言い訳がみられました。

助成については、どこかで線引きをしなければなりません。よって、不認定の人が生じるのは仕方ありませんし、予算の制限もあるので不認定率(の絶対値)が高い低いといった議論はあまり建設的ではないと個人的には思います。

しかし同じ病状の人がその居住地によって認定されたりされなかったりという事態が起こるのは問題です。難病法成立後2018年で4年目ですが、この辺りの実質的な認定の判断についてもっと標準化されることを期待します。

 

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