【お知らせ】関連リンク集を更新しました(2019.03.08)

潰瘍性大腸炎ってどんな病気?|NHK・チョイス【IBD特集】まとめ

『チョイス@病気になったとき』IBD特集まとめ (Part1)

こんにちわ、管理人(@UCinfo_blog)です。

先日、NHKの健康番組にて、IBDをテーマにした放送回がありました。
見逃した方のために内容を紹介します。

もちろん患者としては知っている内容も多いと思いますが、潰瘍性大腸炎、クローン病の両疾患に関して勉強になる点が多かったです。
また、患者以外の一般の人にも分かりやすいように番組構成されているので、病気のことを誰かに説明したいときなどにお役立てください。

長いので3つのパートに分割します。今回はパート1です。

番組情報

  • 番組:『チョイス@病気になったとき』
  • 放送タイトル:「急増!潰瘍性大腸炎・クローン病」
  • 放送局:NHK | Eテレ
  • 放送日:
    • 2019年1月19日(土)20:00-20:45
    • 2019年1月25日(金)12:00-12:45 ※再放送
  • 出演(※敬称略)
    • 八嶋 智人(進行/俳優)
    • 大和田 美帆(進行/女優)
    • 出田奈久(チョイスコンシェルジュ/アナウンサー)
    • 仲瀬裕志(解説/札幌医科大学医学部消化器内科講座 教授)
  • 番組ページ:http://www4.nhk.or.jp/kenko-choice/x/2019-01-19/31/11116/1722217/

大腸の粘膜に炎症が起こる潰瘍性大腸炎は、国の指定難病の一つ。はっきりした原因はわかっていないが免疫の異常が関係していると考えられる。同じように小腸や大腸などに炎症が起こるクローン病も指定難病で、どちらも増加傾向にある。完治することはなかなか難しいが、食事療法、薬物療法などによって、症状が治まった状態を維持できることが多くなってきた。潰瘍性大腸炎とクローン病の治療のチョイスを詳しく紹介する。

番組HPより

番組内容

(冒頭)

八嶋:潰瘍性は最近ちょくちょく聞くがクローン病は聞いたことがない。
そのふたつが並列に並んでいるということは何か共通点があるのかな?

出田アナウンサーより概要説明。

患者数
  • 潰瘍性大腸炎:12万人以上(※ここ20年で約3倍)
  • クローン病:4万人以上(※ここ20年で約2倍)

平成29年度 厚生労働省 衛生行政報告例

どちらも国の指定難病である。

【最新】潰瘍性大腸炎の患者数 2018

潰瘍性大腸炎ってどんな病気?

ある潰瘍性大腸炎患者さんの症例を取り上げられる。

症例

(VTR)

阿南さん《仮名》(27歳)

お腹の不調を感じたのは3年前。
腹痛が度々起こり、便の回数も増える。
しかし、仕事が忙しくすぐに病院ヘは行かず。

発症から3ヶ月後…便に血や粘液が混ざるようになる。
ちょっとおかしいと思いネットで検索。
最初に出てきたのが大腸がん
大腸がんと思い怖くなった。

不安に思い大腸病専門クリニックへ。
内視鏡検査を行う。
粘膜の表面には炎症によるただれがあった。
炎症は直腸から盲腸まで大腸全体に及ぶ。

病名「潰瘍性大腸炎」と診断される。

【解説】潰瘍性大腸炎とは?
仲瀬裕志 Dr.(札幌医科大学医学部 教授)

  • 潰瘍性大腸は大腸に特異的に炎症が起こる病気
  • 原因ははっきりしていない
  • 免疫の反応が過剰に活性化される
  • そのため大腸の炎症が続くと考えれられている

本来大腸の内側の粘膜は外敵の侵入を防ぐ言わば防波堤の役割をしている。
ところが、何らかの原因で免疫が過剰に働き炎症が起こると組織が傷つき、防波堤が崩れてしまう。
すると様々な物質が免疫を刺激し炎症が続いてしまう。

免疫の過剰な活性化

阿南さん:ずっと一生治らない・・・つき合っていかないといけない病気だと思った。
後に出産するときに、この病気が妨げになるのではと不安がよぎった。

先が見えない不安のなか、阿南さんは治療を開始。

使ったのは、5-アミノサリチル酸製剤。
大腸の炎症に直接働きかけ鎮める効果がある薬。
これを毎日3000mgずつ服用。
半年後、腹痛の回数が減り、便に混じる血の量も減った。
月に一度通院を続け、2年後症状が和らぐ。

ところが、今から3ヶ月前、再び血便が…
実は阿南さんは、貰ってた薬を飲みきってから病院に行かなくなり、ここ半年間薬をのんでいなかった。

阿南さん:仕事が忙しかったこともあり、症状が軽くなると油断した。

【解説】
山口トキコ Dr.(マリーゴールドクリニック院長 大腸病専門医)

症状が治まったからとすぐに薬をやめてしまうと、再燃といってまた炎症を起こす。
症状が治まっても薬で治療を続けることが大切。

阿南さんはもちろん治療の再開を選択。

5-ASA製剤を毎日きちんと欠かさず飲むようになる。
大腸の粘膜の炎症も治まり、悪化した症状も再び改善しつつある。

潰瘍性大腸炎治療前後

阿南さん:薬をのみ続けないと困るのは自分自身だと身をもって実感した。

(VTRおわり)


(スタジオ)

八嶋:阿南さんの場合、お若いですし、やっぱり症状がよくなると薬飲まなくてもいいかなって、、、

大田和:思っちゃいますよ

八嶋:とっても気持ちはよく分かる。
でもつき合っていかなければいけないんだなということなんでしょうね。

スタジオ解説は仲瀬浩志さん(札幌医大教授)

なぜ潰瘍性大腸炎になる?

仲瀬Dr.:はっきりとした原因はわかっていない。
ただ、カギとなっているのは免疫細胞。
免疫細胞はもともと体を守ってくれる細胞。
ところが、免疫細胞が腸のなかで活性化しブレーキが効かない状態になってしまう。
これがずっと起こると炎症が腸のなかで続いて病気が起こると考えられる。

潰瘍性大腸炎

免疫細胞が腸内で過剰に働き大腸粘膜に炎症が起きる

免疫が暴走してしまうそもそもの原因は?

仲瀬Dr.:例えば食事のことや、ストレス、薬などひとつじゃないかも知れない。
これらが合わさって病気が引き起こされている可能性もある。
個人個人によって原因は違うと思う。これが難しいところ。

潰瘍性大腸炎の症状

八嶋:具体的な症状としては何がある?

潰瘍性大腸炎の症状
  • 粘液便 血便
  • 排便回数の増加 下痢
  • 腹痛

粘液便 血便

仲瀬Dr.:全部一度に出るというわけではない。
実は炎症の場所によって症状のでかたも変わってくる。
ただ、一番最初に出てくるのは【粘液便 血便】
その理由は、潰瘍性大腸炎は直腸から炎症が起こって、ずっと奥の方に広がっていくと考えられているため。
はじめに出る症状が【粘液便 血便】、その後炎症が進むと下痢の回数が増える→腹痛が起こる、と症状が進行する。

八嶋:最初は腹痛がそれほど酷くなくても血便が出てしまうことがある?

仲瀬Dr.:それはあり得る。

八嶋:それはびっくりする。

大和田:勝手にだが、まず痛みがくるようなイメージがあった。

排便回数の増加

大和田:排便回数の増加というのは一日何回程度だと「多い」と考えられるか?

仲瀬Dr.:一般的には5回以上になると多いと考えてよい。

八嶋:便に粘液が混ざるのはどうして?

仲瀬Dr.:もともと、大腸の粘膜は粘液で覆われている。
炎症が起こると粘液の分泌が増えてくるのが理由のひとつ。
また、炎症が起こるとその部位に白血球が寄ってきて、白血球の混ざった粘液が出てくる。

粘液便

粘膜に炎症が起きると粘液が増え集まってきた白血球が白っぽくなる

八嶋:白血球が混ざると粘液っぽさがよく分かるようになるということ?

仲瀬Dr.:ドロッとした白っぽい感じになる。

大和田:それは見てわかるもの?

仲瀬Dr.:見てわかる。


中等症

中等症

仲瀬Dr.:体のなかで粘液を出すのは炎症を抑えようとする反応。
それに加えて寄ってきた白血球が混ざって白っぽく見える。


重症

重症

仲瀬Dr.:(写真の)白い部分は全部潰瘍。
深く粘膜が削ぎ落ちた状態。


腹痛

大和田:重症のときには既に腹痛は出ている?

仲瀬Dr.:重症のときには腹痛は出てくる。

大和田:痛くなって病院に行ったときには既に重症ということもある?

仲瀬Dr.:かなり具合が悪いと思われる。

炎症を放置するとどうなる?

仲瀬Dr.:炎症の状態が長く続くと大腸の粘膜にポリープや腫瘍ができてくる。
発症から10年ほど経つとガンやポリープができるリスクが増えてくるので気をつける必要がある。

炎症が長引くと大腸がんのリスクが高まる

受診のタイミングは?

仲瀬Dr.:風邪、ウイルスや細菌の感染等でも潰瘍性大腸炎のような症状は出る。
しかし、潰瘍性大腸炎以外の場合だいたい1週間以内で治まってくることが多い。
そのため、このような症状が1週間以上続くようであれば受診したほうがよい。
また、発症する年代は若い人が多く、忙しいのでとりあえず市販薬を買って済ましておこうする人が多いがこれは良くない。
症状が続けば医療機関をきちんと受診すること。

一週間以上症状が続いたら受診!

大和田:私の身近に血便が出ているのに子供の世話などが忙しく、病院に行ってない人がいる。
何科に行けばいいでしょうか?

仲瀬Dr.:出来ればまずはかかりつけの先生のところにいって、専門的な検査が必要かどうかを判断してもらうのがよい。
その後に消化器内科や大腸の専門医がいる医療機関を受診する。

潰瘍性大腸炎の疑いがある場合は
消化器内科・大腸の専門医へ

潰瘍性大腸炎の検査

潰瘍性大腸炎が疑われる場合以下の検査をする。

潰瘍性大腸炎の検査
  • 便の培養:便のなかの細菌を培養し、感染症でないことを確認
  • 血液検査:炎症の有無や程度、貧血かどうかなどを確認
  • 内視鏡検査:大腸の粘膜の状態を直接確認

仲瀬Dr.:血液検査でも問題ない、内視鏡でも問題ない場合でも下痢の回数が多い場合は、近年増加している過敏性腸症候群の可能性も考えられる。
したがって、上記3つの検査は必要。

これらの検査で異常が見つからない場合は過敏性腸症候群の可能性も

大和田:もし潰瘍性大腸炎と診断された場合、治らない病気なのか?

仲瀬Dr.:現時点では「完治」ということはなかなか言えない。
なぜなら、原因が完全に特定されていないため。
ただし、今はたくさんの薬が出てきているので、症状をコントロールすることができて、今までと変わらない日常生活を送ることは可能。
そういう意味では患者さんには希望を持ってほしい。

潰瘍性大腸炎

治療によって症状のコントロールは可能

潰瘍性大腸炎の経過

潰瘍性大腸炎の経過

活動期と寛解期を繰り返す

仲瀬Dr.:潰瘍性大腸炎は症状がある活動期と症状が全くない寛解期を繰り返す。
これが難しい点で、いつ悪くなるかは予想がつかないところがある。
食事やストレスなどいろんな原因で悪くなる(活動期になる)ことがあり、人それぞれ原因は違う。

八嶋:薬を飲んで症状のコントロールができるということになればどうなるんですか?

潰瘍性大腸炎の経過(長期寛解)

長期寛解

仲瀬Dr.:薬をきちんと服用することにより、長い寛解期を維持することができるようになった。
患者さんにはできるだけ長い寛解期を維持してもらえるように、薬や食事の指導を行っている。

大和田:VTRの阿南さんが使っていた薬はどのようなもの?

5-アミノサリチル酸製剤

仲瀬:潰瘍性大腸炎の患者に使う薬としては基本。
安全性も非常に高い。副作用が少ない。

5-アミノサリチル酸製剤

仲瀬Dr.:錠剤、顆粒(剤形)は患者の好み(飲みやすさ)によって使い分けている。内容は基本的に同じ。
潰瘍性大腸炎の重症度はあるが、軽症の場合は5-ASA製剤だけでコントロール可能な場合もある。
副作用がすくないのと、長期服用により発がんを抑制する効果があると言われているので患者にはなるべく飲み続けるように話している。

5-ASA酸製剤
  • 副作用が少ない
  • 発がん抑制効果がある

妊娠中に薬をのんでも大丈夫?

仲瀬Dr.:今、潰瘍性大腸炎で使っている薬は、ほぼほぼ妊娠中も継続できる。
昔は、妊娠中に服薬すると良くないのではと言われていたが、ほぼほぼ安全性が確認されており、継続できる。
逆に、妊娠中ほど状態を良くしているほうが、胎児に与える影響が少ない。
医者が心配するのは、妊娠を機に胎児への影響を気にして勝手に服薬を中止する人がいること。
しかし、妊娠で心配ならばきちんと主治医に「この薬は大丈夫か?」と相談するべき。
そして、ほぼほぼ大丈夫なので安心してほしい。

八嶋:母体が健康であることをチョイスすべきということですね。


【Part2へ続く】薬が効きにくい重症のケースでの治療の選択肢について

『チョイス@病気になったとき』IBD特集まとめ (Part2)潰瘍性大腸炎・重症例の治療の選択肢とは?|NHK・チョイス【IBD特集】まとめ

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です