こんにちは。
今日は潰瘍性大腸炎の患者数についての更新情報をお伝えします。
2019年10月31日に厚生省より「平成30年度衛生行政報告例」の結果が発表されました。統計より最新のデータを紹介します。
なお、今回発表された最新の数字は、2019年3月(2018年度)末時点の集計です。
2019年の潰瘍性大腸炎患者数
特定医療費(指定難病)受給者証の所持者数について、今回発表のデータと参考までに前年(平成29年度)からの推移を下に示します。参考にクローン病の数字も載せています。
潰瘍性大腸炎 | クローン病 | |
---|---|---|
2018年度(平成30年度) | 124,961 | 42,548 |
前年からの増減 | -3,773 | +1,480 |
過去からの推移は、下のグラフのとおりです。
2017年度は、2015年1月施行の難病法の3年間の経過期間が終了し、軽症者が助成対象から外れたため、大幅に減少しました(約4万人減)。2018年度も若干の減少となっています(前年比約3%減)。
潰瘍性大腸炎の患者数 2018受給者証交付数最多疾患が「パーキンソン病」に
もうひとつ、今回2018年度に特筆すべきことがあります。
これまで指定難病のうち受給者証交付者数で最多だった潰瘍性大腸炎ですが(おそらく「特定疾患」の頃からずっと最多だったと思います)、2018年度から「パーキンソン病」が最多となっています。
上位5疾病の顔ぶれは2017年度から変わっていません。
いずれにせよ、潰瘍性大腸炎とパーキンソン病の上位2疾患で全体の約3割を占めます。
さらに同じ炎症性腸疾患であるクローン病も上位5疾患に入っており、潰瘍性大腸炎とクローン病をあわせて全体の18%を占めます。
2019年10月7日に開催された難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ(第2回)においても、潰瘍性大腸炎とパーキンソン病の2つの疾病を指定難病から外す旨の意見が出されたと聞いています。
「指定難病への医療費助成」や「難病医療体制の構築」などの難病対策は、2015年1月に施行された難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)に基づいて実施されています。難病法の附則では、「施行後5年以内を目途に、施行状況を勘案して必要があれば見直しに向けた検討を行う」旨が規定されており、また、いわば小児の難病である「小児慢性特定疾患」対策を規定する改正児童福祉法でも、同様の見直し規定があることから、厚労省は施行から5年を迎える来年(2020年)1月をゴールとして、難病等の制度見直しに向けた検討を合同会議で始めています。
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毎回のように話題になる話ですが、今回は法律の見直しの時期なので実際になんらかの変更がなされるかもしれません。今後も注視していきたいと思います。
おわり