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炎症性腸疾患との付き合い方|腸から始まる健康ライフ

炎症性腸疾患との付き合い方

こんにちわ、管理人(@UCinfo_blog)です。

このページは、『腸から始まる健康ライフ』(TBSラジオ|毎週月曜 17:50-18:00)という番組で炎症性腸疾患について取り上げられた回を文字起こししています。
下記の全4回の第4回です。

番組情報

  • 番組:『腸から始まる健康ライフ』
  • 放送タイトル:「炎症性腸疾患との付き合い方」
  • 放送局:TBSラジオ
  • 放送日:2018年6月25日(月)17:50 – 18:00
  • 出演(※敬称略)
    • 中澤有美子(パーソナリティー)
    • 杉田昭(ゲスト/横浜市立市民病院・炎症性腸疾患科部長)
  • 番組ページ:https://www.tbsradio.jp/266144

中澤:こんにちわ、中澤有美子です。
『腸から始まる健康ライフ』、この番組は耳から服用する整腸剤。体のなかでも大切な器官である腸から健康を考えます。
今月のゲストは横浜市立市民病院・炎症性腸疾患科部長の杉田昭先生です。
今日は炎症性腸疾患との付き合い方について伺います。

横浜市立市民病院の杉田昭先生と中澤有美子さん
via TBSラジオ

中澤:杉田先生、今週もよろしくお願いします。

杉田:よろしくお願いします。

炎症性腸疾患は完治する?

中澤:さて、これまで潰瘍性大腸炎、そしてクローン病の手術や治療法について伺ってまいりました。
手術あるいは内科的な治療をすればこの病気は治ったということにはなるのでしょうか?
「完治」とか「寛解」とかいろいろ聞きますけど、どういう状態に持っていけますか?

杉田:はい。まず、内科的治療ですが残念ながらこの病気についての完治ということはないというふうに考えられています。

中澤:そうですか。

杉田:しかし、この病気は「再燃」・「寛解」、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気だというふうに言われていまして、その寛解という時期、つまり良くなっている時期が長く続いていれば通所の生活をして頂いてよろしいかと思います。
つまり病気は治らないんですけど、生活は普通にできると。そういう考えでよろしいかと思います。
手術の場合ですけど、潰瘍性大腸炎の場合は大腸を取りますので病変が無くなりますから、そういう意味では完治という考えはひとつはあると思いますね。
ただ、手術のあとの合併症もないわけではありませんので、腸閉塞であったり、袋の中の回腸嚢炎という炎症であったり、結石ができたり、尿路結石ですね、ということもありますので、そういう意味からすると完治というのは適切ではないかもしれません。
クローン病の患者さんの手術のあとは、前回もお話しましたように、再発がやっぱり起きますので、完治することはありません。
手術をして社会復帰をしていただいて、再発をなるだけ抑えるような治療をずっと続けていただくということが大事だと思います。

中澤:そうですね。なるべくいい状態が長く続くようにということなんですね。

炎症性腸疾患は遺伝と関係がある?

中澤:さて、この炎症性腸疾患は遺伝とは関わりはありますか?

杉田:この炎症性腸疾患の原因というのは現在のところ明確なものはありません。
ただ、いろいろな説がありまして、大筋には遺伝的な要素と、環境の要素と、それに影響を受ける腸内細菌と、その3つが大きな要素として挙げられています。
遺伝の要素といいますのは、親子で病気に罹ったり、兄弟で病気に罹ったりすることがありますので、やはり要素としてはあると思います。
では、世界でこの病気の遺伝子が見つかったかといいますと一時、欧米、アメリカでクローン病の遺伝子が見つかったということが報告がされたことがあります。
日本の先生方がすぐその遺伝子を調べましたけれども、日本人には一切見つかりませんでした。
ですので、現在のところ遺伝の要素はあるとは考えられているとはいえ、どういう内容で患者さんに病気が起こるかは不明です。
ということは、患者さんたちがお子さんを持った時に、ある種の疾患は必ず遺伝する疾患もありますが、この病気はそうとは言えませんので、わたしどもは、お子さんを持つことについて明確に反対する気はないというふうに思っていますので、そのようにお伝えしています。

日本炎症性腸疾患協会の活動

中澤:そうですか。
杉田先生は日本炎症性腸疾患協会の理事長もお勤めでいらっしゃいます。
この活動はどういったものか教えてください。

杉田:はい。わたしは医師ですので、学術集会というところに属して、いくつかの学術集会に属して診断治療の最先端のお話ですとかいうことについてディスカッションをして新しいものを取り入れるようにします。
それからもうひとつ、患者さんにとっっては患者さんの会というものがありまして、皆さんが属しているわけではないと思いますけど、患者さん同士のコミュニケーションを取っている会があります。
わたしどもの会はその中間にあるような立ち位置の協会でして、医師を含めた医療従事者、患者さん、ソーシャルワーカーのかたなどが一緒に集まりまして、患者さんの社会復帰のお手伝いをするという立ち位置で仕事をさしていただいております。
患者さんをサポートするという立ち位置におりますので、興味があれば参加いただければ、大変ありがたいというふうに思います。

中澤:若い患者さんが多いというふうに伺いましたから、この社会復帰をすごく重点的に考えていらっしゃる協会、とてもありがたいのではないかと思います。

杉田:ありがとうございます。

中澤:さて、そろそろお時間です。
今月のゲストは横浜市立市民病院・炎症性腸疾患科部長の杉田昭先生でした。
杉田先生、最後にリスナーの皆さんにメッセージをお願いします。

杉田:はい。潰瘍性大腸炎、クローン病に代表される炎症性腸疾患といいますのは、若いかたに多く発症する病気ですね。
この病気の治療方針は、最終的には皆さんが社会に出ていって、社会生活をきちんと送ることができるように手助けをさしていただくというのが治療の目的です。
それから最近は高齢のかたもこの病気になっていくかたもおられますので、そういう皆さんも含めて、皆さんが社会で通常に働くことができるようにサポートをさせていただきますし、皆さんもそういうことを目標にぜひご自分の病気と向かい合っていただきたいというふうに思います。

中澤:そうですね、はい。
杉田先生、どうもありがとうございました。

杉田:ありがとうございました。

【参考:日本炎症性腸疾患協会

〈おわり〉

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